認知症の中でも、幻視体験が多い特徴を持っているのがレビー小体型認知症です。その幻視体験に対してどのように対応を行っていたかをお伝えしたいと思います。

今日もよろしくお願いします<m(__)m>
グループホーム
場所は木造2階建てのグループホーム。1階に居室2部屋とリビング・キッチンがあり、2階に7部屋のある作りでした。その2階の角部屋の202号室で生活されている80代の少しふくよかな女性の方でした。
深夜のナースコール
他の入居者も寝静まり、私はコーヒーを飲みながら(常に飲んでる。笑)、記録を記入していました。すると
ピンポーン!
とナースコールの音がいて、201号室のランプがつきました。
私はコールの受話器をとり「はい。今から伺います!」と返答し部屋に向かいました。
すると部屋から「ちょっとー、早く来てー!」との声が聞こえるではありませんか。
普段、施設内では「走るな!」と指導している私も、この時な夜勤中で一人だった為、こっそり走りって部屋に伺いました。(指導していて、自分がやっちゃダメですよね!今回は見逃してください。笑)




ロッカータンスに熊⁉


(心の声:えっ?その細いロッカータンスに熊?いやいや、ありえん!そもそも九州は阿蘇熊牧場にしか熊はいない!ってかそんな問題じゃない!熊なんで侵入してない!あっ!幻視だ!確実に幻視だ!)



ここから演技開始!

よっ!(と言いながら、熊の首根っこを腕で抱え込む!)
よし!おとなしくしろよ!(と言いながら、熊を部屋から引きずり出す演技をする!)
山に逃がしてきます!(といい部屋を退出する。)
※少し時間を置いて、利用者の部屋に戻ります。(時間にすると5分くらい)

なかなか力が強かったですよ!



こんなやり取りをして落ち着かれて、ベッドに横になった利用者さんを確認したら、電気を常夜灯に切り替えて退出する。
介護職は幻視の前では俳優になりきる
レビー小体型認知症の幻視は小動物や虫などの訴えが多い傾向にあるが、たまに「小さな子供」や私のように「熊」が出てくることもある。
幻視は、その方にとってはリアルな世界となる為、介護職がどんなに否定をしても、その方は受け入れません。
つまり、私達介護職がその方のリアル世界に飛び込む必要があります。
この方の場合、「小さな子供をおんぶして!」と言われたこともあります。
そう・・・ 草木も眠る丑三つ時に・・・
さすがにその時はちょっとビビりましたけど、熊や虫の幻視体験があったので幻視だと気が付き、「隣の部屋に寝せる」ことで、その幻視に対応できました。
幻視は、私達介護職には見えません。が、その方には見えています。
ですから、見えていることを前提に話を進めることで、訴えを否定せずに済みますし、相手が落ち着く事があります。(全ての方が落ち着く訳ではありません。)
まとめ
レビー小体型認知症の幻視は否定するよりも、相手の世界に飛び込んでその幻視を解決する行動をとる事でおさまる事が多いです。
否定すると逆に興奮してしまうこともあります。
夜間に多くみられるので、スタッフは戸惑うこともありますが、皆さんも明日から俳優になって、幻視を解決する演技をしてみてください!
今日はこの辺で!
ありがとうございました。
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